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2018/03/02

『千年の甍 古代瓦を葺く』

現在、名古屋市栄生にあるトヨタ産業技術記念館にて『千年の甍 古代瓦を葺く』という展示が行われています。館内の特別展示室で行われており、無料で見学することができます。瓦は私たちの生活の身近にあるものなのに、それがどのように屋根の上に葺かれているのかを知っている人はなかなかいないと思います。この展示は、長寿命の古代瓦の作り方から葺き方について、実寸大の屋根模型を使用して説明されていたり、瓦の製作道具や瓦の原寸図、映像なども加えて丁寧に説明されています。この展示で瓦がどのように発展してきたかを知ることができたので、簡単にまとめてみたいと思います。

 

瓦は西暦588年に、仏教とともに百済より伝来しました。飛鳥時代に日本で初の本格的な寺院造営のために、平瓦と丸瓦で葺く本瓦葺技術が導入され、その後奈良時代には、瓦葺きの需要が増大したことにより、大量生産の技術も発展していきました。しかし平安時代になると本瓦葺きの雨漏りや瓦の剥がれ問題が表面化していき、また建築の日本化で屋根の形が複雑になったことにより瓦の需要が減っていき、技術も低下していったそうです。しかし鎌倉時代になると再び瓦の需要が増加、屋根の傾斜も強くなったことで、留めるのに釘を使うなどの葺きの技術にも発展がみられてきます。それまで平面にレリーフのように模様をうつしていた鬼瓦が、手作りで立体的になったのもこの頃です。室町・桃山時代になると「いぶし」の工程(釉薬を使わず、焼成したあとに空気を完全に遮断、「むし焼き」にする燻化工程)が加わり、瓦の耐久性も向上していきました。鬼瓦はより立体的になり、城の建築もされるようになったことにより、大棟には姫路城や名古屋城でもおなじみの鯱が据えられるようにもなりました。そして江戸時代に入り、丸瓦と平瓦を組み合わせて一枚にした桟瓦が考案され、幕府の推奨もあり一般民家にも瓦が普及し現在に至るということです。

 

この展示の入り口に飾られている瓦曼荼羅は、普段は屋根の上に乗せられているためになかなかみることのできない丸瓦や軒平瓦の先端に施されている模様をつぶさに眺めることができます。この模様は時代とともに変化し、また地域や建物の格によっても変化しています。様々な模様が一度に並んでいるのは圧巻です。この展示を見学したことで、改めて瓦の魅力を知りもっと勉強したいと思いました。

 

 

 

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